第12章 癒えない傷
声のする方を見ると不死川様がいた
「飯って...?」
「お前ェは軽ィんだよ だから血ィ吐くんだよォ」
重いと言われないだけマシ?
腕を組み仁王立ちしている
「不死川様は...ご兄弟おられるのですか?」
いるのは知ってるけど
気になると言うよりも気がかりだ
「お前ェには関係ねェんだよォ
黙ってさっさと寝ろォ」
話してくれるわけないか
目線が合う
こんなに刺々しいのに
寂しそうなのはどうしてだろう
「紫娜!さっきは大丈夫だったか?
なんか柱が集まってたけど...」
炭治郎さんと不死川さん
不死川さんだけ落ち込んでいるような顔をしている
「前、正式に夜柱として認められたんですけど
その柱の顔合わせみたいなので少し体調が優れなくて」
「俺の兄貴...なんか言ってたか?」
「特には...でもお二人共似ていますね
優しいところとか...寂しそうなところも...」
最後は聞き取っていないかもしれない
けど炭治郎さんも鼻がいいなら感じたはず
二人の周りを取り巻く空気から
痛いほど伝わる何かを
「ん...ちょっと待ってくれ紫娜
紫娜...柱になったのか?」
「僭越ながらも尽力させていただきます」
「...ぇえええ!!!そうなのか!?おめでとう紫娜!
俺よりも一つ年下なのにすごいな!
よし!俺も負けてらんないな
二人とも 一緒に今から修行しよう
あぁでも紫娜は休まなきゃだ」
「私はだいぶ良くなってきましたが二人はまだ寝ていて下さいね?
でもその前に一言、言わせてください」