第12章 癒えない傷
「ちょ 不死川様!下ろしてください!
お召し物が汚れて...ッガハ...」
「暴れんじゃんねェ女」
どうしよう
まだ血が出てくる
頭痛はない
目眩は前からある
「おい胡蝶ォ 診察所どこだァ」
「こちらです」
こうなったのは本当に予想外だったけどさ
打ち合わせしようって...
てか本当に恥ずかしい
支えてくれてる腕が私のと比べられないぐらい大きい
ちらって顔を見ても
全然表情が見えなくて
こんなに恥ずかしい思いしてるの私だけなの?
「...〜〜」
あれ?炭治郎さんの声?
体起こせるようになったんだ
ふと私を運んでいた不死川様の足が止まる
「兄貴...」
そっか兄弟か
でもなんだろう
この殺伐とした感じ
「あれ...なんで柱がここに...って紫娜!大丈夫か!?」
私は大丈夫だけど
この兄弟の重苦しい空気に耐えられない
また歩き出した不死川様
弟の肩に思いっきりぶつかって歩いていく
「なぁ兄貴「しつけェんだよォ てめェは誰だァ
俺に弟はいねェ」」
何があったかは知らないけど
こんなこと実の弟に言えるわけない
でも
私も人のこと言えないんだ