第12章 癒えない傷
痣って何...
なんで今ガチで戦ってんの...
「おい 女ァ こんなもんかァ!!」
面がないと本調子が出ない
しかも髪を下ろす時間さえくれなかったし
木刀があたる音が庭に響く
風柱の不死川実弥様
体中にある傷からは今までどれほど努力してきたのかが伺える
「打ち合わせ...しましょうよ!!
これじゃ埒が明かない!」
一瞬動きがとまった
やっと話しを聞いて貰えたと思ったけど
それは勘違いで...
本当に決着が着くまで続きそうな雰囲気だし...
いやさ...もう本当にまだ痛いって...
一撃一撃が重い
真に受けたらかち割れそう
片手しかない私にとっては
技の重みで受け流しきれない
「ッガハ」
え?
また血?
袴が自分の吐いた血で汚れる
以前吐血した時はそれらしい引き金はあったが
今は鬼もおらず、肺は健全。何も無い
大丈夫 そうだ 慌てるな
大したことじゃない
たまたま血を少し吐いただけ
何があっても動揺しなさそうな不死川様が止まってる
今なら...
______カコン
そう簡単には決着をつけさせてくれない
両手で刀を持てないから斬り掛かる時のスタイルを
自身で周りながら斬っていくスタイルに変えた
そのおかげで遠心力のせいもあるのか力がかけやすくなる
せめてあと一撃...
「___っわ!え?ちょ!!不死川様!?」
伸びた右手の腕を簡単に捕まれ瞬きしているうちに
なぜか膝下には不死川様の左腕が、
背中から肩を右腕が持っていた
...頭がついていけない
柱で打ち合わせがあるって聞いて
なんか痣のこととか聞いて
なぜか力試されて
なんで今不死川様に横抱きにされてるの!!?