第12章 癒えない傷
その後何も耳に入らなかった
蜜璃さんや時透様も
炭治郎さんも不死川さんも
みんな無事だったのに
椿だけは消息不明
御館様と椿をずっと見てる約束もしたというのに
椿を見てなかった
全部私のせいだ
良かったなんて
自分の心を守るための嘘に過ぎない
私のせいでまた命が消えた
______ガシャン!!!!
「紫娜さん!」
「私のせいで......私のせいで...!
また...置いていってしまった
私だけが残されていく
私だけなんで」
「紫娜さん
誰もあなたを一人にさせていないです
みんなあなたに守られ、守ってきた
これからも」
「私を...置いていかないで...」
全く記憶にないけど
私が暴れるのをその場にいた胡蝶様と伊之助さんが止めてくれたらしい
刺さっていたチューブや機械も
暴れた際に抜かれてしまい
痛々しい痕と
また深い傷が心に爪痕を残した
あの時
結局私は紫遊佐に会えなかった
もう会えない気がする