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上手に笑えるようになりました【鬼滅の刃】

第11章 弓を引き 雫を穿つ



...






膝から崩れ落ちるように炭治郎はしゃがみこむ
鬼となってもたくさんの人を助けてきた
唯一の妹を
家族をまた守れなかった
また
また失った



「...禰豆子〜...禰豆子〜 うっうっうっ...」


「竈戸殿...」


「竈戸殿」


溢れた涙で視界が曇る
焼かれ焦げ
なくなった
失った
守れなかったと思った命は確かにそこにあった

「お、お、おはよう」


不意に思い出した
珠世から届いた手紙に書いてあった
一節の言葉


"炭治郎さん これは完全に私の憶測ですが、禰豆子さんは近いうちに 太陽を克服すると思います"


「禰豆子...良かった、大丈夫か?
お前...人間に...」

人を喰わぬようにつけた竹の口枷は
外れている

「よ、よかった...だい...たいじょうぶ
よかったねぇ、ねぇ」


「うわあああ、よかったあ...!!
よかったああ、禰豆子 無事でよかったああ!!」



周りにいる刀鍛冶達の歓喜に満ちた声の中に
一人遠く呟く玄弥がいた


「良かったな...炭治郎、禰豆子...」










___________________



「ついに、太陽が克服する者が現れた...!
 よくやった、半天狗...!」



「無惨様 お呼びでしょうか」


「心当たりがないとは言うまいな
上弦のいずれかにと思っていたお前には失望したぞ紫遊佐

たかが小娘のために鬼を殺したな」


考えていなかった訳じゃない
あの雑魚の鬼でも無惨様と感覚を共有しているとは


「まぁ もうどうでもよい
あの娘を喰って取り込めば私も太陽を克服できる!!
下がれ」



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