第11章 弓を引き 雫を穿つ
...
「紫娜!大丈夫か!?」
炭治郎は禰豆子にをおぶられながら玄弥、そして無一郎たちと合流する
呼吸しやすいように面を外すと
固く結んだ瞼に
頬は色白い
そんな紫娜を見兼ねた禰豆子は
爆血でぼうっと優しく炎で包んだが
顔色は変わらず
目は固く閉じていた
未だに意識がない
「それにしても禰豆子はどうなってるの?」
「いやそれが......」
______ダッダッダ
ガバッ!
「うわあああ 勝った勝ったぁ みんなで勝ったよ
凄いよお!!」
勢いよく走ってきた蜜璃は
その場にいた全員を包むように抱きしめる
「生きてるよおおおお、良かったあ!!」
ガッシ
無一郎は袖に何かを感じ腕を見ると
紫娜がその袖を強く握っていた
「...です....して...」
「紫娜?なんて言ってるの?」
それを聞いたのかみんなが紫娜の声を聞こうと
耳を傾ける
「...お願い...です...椿を...探して...!」
爆血で鬼による毒は消えた
袖を握る力は強く離そうとすると
布にビリッと亀裂が走る
目は開いていない
顔も真っ青なまま
なぜだか手だけは力が入っていた