第11章 弓を引き 雫を穿つ
(何ィィィ!!回転で全て吹き飛ばされた!!)
時透様のおかげで切り刻まれた毒の魚が渦を巻いて飛ばされる
とうとう頸を斬り落としたと思ったら
それは脱皮したただの皮だけだった
(脱皮するし・・・)
「ッカハ...!」
「女は限界のようだな 面で素顔は隠れているが
どんな不細工でも良い作品は作れよう」
咄嗟に口を抑える
掌は鮮やかな血で赤く染っていた
「紫娜は休んでいていいよ
多分もう片付けられるし」
「後で後悔するなよ...
お前らには、私の真の姿を見せてやる」
「はいはい」
休めるわけが無い
こんな状況で私だけ
首を横に振ったの、わかってくれたかな...
「この姿を見せるのは、お前らで四人目」
「結構いるね」
でも体が熱くてよく伸びる
調子がいいのは確か
だから
倒せる
大丈夫
「黙れ、私が本気を出した時、生きていられた者はいない」
「すごいねー」
時透様の言葉で
挑発に乗って来てるのがわかる
「口を閉じてろ、馬鹿餓鬼が!!」
大して奇妙さは変わっていない
やっと顔と適当な手で足はなんかよく分からないけどまだましというべきか
「この透き通るような鱗は、金剛石よりも尚硬く強い。
私が壺の中で練り上げた、完全なるこの姿に平伏すがいい」
...
「何とか言ったらどうなんだ、この木偶の坊が!!!
本当に人の神経を逆撫でする餓鬼だな!!」