第11章 弓を引き 雫を穿つ
紫娜が無一郎と別れた場所から推測でたどり着いたところは半壊状態のあばら家だった
壊れかけた壁からは上弦の伍の玉壺が
刀を研いでいる刀鍛冶に攻撃をしているところだった
(時透様が見当たらない)
自分の存在に気づかれていないことを確認した紫娜は瞬く間に玉壺の前に行き
攻撃に使っている蛸の足を切り落とす
「ヒョッヒョッヒョ...狼の面をつけたものは久しいのぉ 若い女子の芸術作品ができる しかもお前は柱か?二人目の柱とはなんて運がいい!」
「気色悪い 綺麗な壺が穢れる」
ジャコジャコと集中力を欠かさず研ぎ続ける鋼鐵塚
その鋼鐵塚を守っていたため血を流し横たわる鉄穴森
「お主 壺の美しさがわかるのか!これはいい!だがお主は私の芸術作品となるのだ」
"血鬼術 水獄鉢"
「鬼狩りの最大の武器となる呼吸さえ止めてしまえば...なに!?」
"夜の呼吸 阿吽型 龍星讃歌"
宙に浮いた水の塊に閉じ込められたと思うやいなや繰り出した技ですぐに脱出した紫娜
彼女の目を見た瞬間、金縛りにあったように動けなくなる玉壺
(なんだこれは...殺気か!?)
「私は柱じゃない だがあなたを見ると異常に腹が立つ」