第11章 弓を引き 雫を穿つ
「おい 餓鬼 くっつくんじゃねぇ 親はいねぇのかよ」
「紫娜さんがいる けどお兄さん見つけたから」
「ったく... めんどくせぇなぁ...」
いない...
蜜璃さんと相打ちしてて確かにそこで懸垂していたはずなのに
蜜璃さんも探してくれているけど
いない
「つばきー!!」
「はーい!」
ん?
返事してんじゃん!
見回すと木の死角になっていて見えなかったけど
椿の姿と男の人の姿を見つけることが出来た
鬼殺隊なんだろうけど
見たことあるような雰囲気に
見たことあるような風貌に...
風柱さま?
「椿!勝手に居なくならないで!
すいません 本当にご迷惑をおかけしました!」
「...」
「あ、あの椿がなにかしましたか?」
「...」
「紫娜さん 椿は何もしてないよ!」
じゃあ何故何も喋らないの?!!!
椿は確かに言葉がおかしい時とかもあるけど
人のことはちゃんと考えられてるし...
あぁ...遠くから蜜璃さんの声も聞こえてきた
「もう本当にすいませんでした
これで失礼します...椿!」
「またね!」
またねって いやまたねって
はぁ...
「さっきあの人お母さんみたいに喋ってたよ」
椿の母みたい?口が悪かったってこと?
「とりあえず絶対に勝手に居なくならないで!」
「ごめんなさい...」
ようやく会えた椿と蜜璃さんに合流する
なんだろう
胸騒ぎがする
椿は見つかったのに