第11章 弓を引き 雫を穿つ
「紫娜ちゃんも刀の調整?」
「はい 片腕には慣れたのですが
やはり刀が重いので 少し調整しに」
(前より紫娜ちゃんの雰囲気が
柔らかいわ かわいい! キュン)
狼以外のお面をつけた人を初めて見たのか
椿の目がキラキラしてる
ここに子供が来ても大丈夫かなって思ったけど
以外と大丈夫だった
刀鍛冶の方は子供に目を向けてられないほど目まぐるしく働いている
椿の存在には気づいていない
「じゃあ椿ちゃんはお供で来ているのね!」
「お供?」
蜜璃さんは椿が鬼化していることを知らない
外見からして鬼と判断できるものがない
短い爪やビードロのような瞳
内面でも、炭治郎さんや善逸さんのような感覚が優れた人でも疑うぐらいしか出来ないはず
でも確かに鬼化は進んでいる
いつかは太陽の下で生きることを許されない日がくる
「紫娜ちゃ〜ん?もしも〜し 大丈夫?」
「あぁ 何でしたっけ?」
「ほら 紫娜ちゃんの刀の話!」
「可愛らしい女子やな 後でせんべいをあげよう
錦家様には世話になっとるんやけ
ちぃと時間かかるけど任せんしゃい」
刀は鉄地河原鉄珍さんが打ってくださる
正直刀には詳しくないから刃こぼれはあまりしてないってことを聞いて安心した