第11章 弓を引き 雫を穿つ
「紫娜ちゃぁぁぁぁん!!!」
「お久しぶりです 蜜璃さんも刀鍛冶の里に来てたんですね」
久しぶりに蜜璃さんと会えて椿が喜んでる
先程の緊張が解けたみたいでよかった
刀鍛冶の里に訪れるために親方様から許可を頂いたついでに西の錦に椿と一緒に訪れた
叔父上は椿に会えて嬉しそうだったし
なんなら悠大とかも新しい妹分ができたみたいに喜んでいたけど
錦家の人はみんなわかりずらいから
椿はずっと気を張り詰めていた
「紫娜ちゃん達はいつきたの?」
「今朝ここに着きました 今の実家がこの里の近くにあって、隠を通さなくても来られるんです」
隠を通さなくても平気な理由
それは何百年前に交わした錦と本部との約束だった
"日輪刀の材料が取れる陽光山と刀鍛冶の里を守ること"
約束を果たすために錦家は刀鍛冶の里の近くにあった
錦家行ったのは新しい狼の面を作るためだった
上弦の弐と戦った際に割れたお面は
結局砕けてしまって使い物にならなかった
確かに長く重い髪を下ろし、視界の狭まる面をつけるのは面倒くさいけど
習慣化してしまえば逆にそうしていない時が気持ち悪い