第11章 弓を引き 雫を穿つ
炭治郎さんは目を離さないで真剣に聞いてくれた
椿が握っている手が少し震えているのがわかる
椿の血はもう人の血とは言えない
太陽の下で生きれるか分からない
おかしいな
"血"がどうのこうのって気にしたくないって思ってたのに
いつの間にか気にしてるなんて
もっと単純に考えたい
けど無理なんだ
複雑に考えないと
簡単な生き方になってします
「そうか...椿ちゃん 大丈夫だ!
紫娜がそばに居るし、俺だってついてる
たとえ鬼になったとしても椿ちゃんは椿ちゃんだ」
包帯を巻かれた腕が椿に伸びて、優しく頭に乗ると
ふわふわと包んだ
みるみるうちに椿が笑顔になっていく
「善逸さんも伊之助もお願いします」
二人が部屋に入ってきたことは知っていた
何故かこっそり音を立ててないつもりみたいだったけど
「紫娜ちゃんのためならなんでもやるさ〜!」
「まぁ子分の頼みなら仕方がない 俺は親分だからな」
んで
多分そこに胡蝶様もいるんだろうな...
頼るって一人じゃ無理なんだ
二人以上いないと頼れないね