第10章 鬼と花
「What's wrong?」
「The little lady is crying!
I can't do anything!」
やっと肩の力が緩む
そこで蹲っていたのは紛れもなく椿だった
「She is a sister who has separated from me
Thank you so much!」
微笑んだ男性は傘を片手に帽子をふわっととると綺麗にお辞儀をした
私の姿をみつけ、抱きつく椿に安堵と共に自分の未熟さに感じた
もしこのまま人攫いに会ったら?
ずっとここで蹲っていたら?
想像しただけでも恐ろしい
また椿が虐待を受けることも考えられた
「本当にごめんなさい椿...もう大丈夫だから」
「さっきの人が傘さしてくれたんだけど
何喋ってるかわからなかった
紫娜さんなんで喋れるの?
さっきなんて言ったの?」
「私の家は表向きは貿易商だったから教えて貰ってたの。さっきの男の人は
小さなお嬢さんがいるから来てって言われて
そしたら椿を見つけたの」
「オモテムキ?ぼうえきしょう?」
「とりあえず今日はもう休もうか」
椿の物分りの良さと吸収力が年齢を忘れさせる
まだ七歳の女の子だ