第10章 鬼と花
「私そろそろ出ますね」
「わ 私もそろそろ出ます」
頑張っても熱が冷めなかったせいか一緒にアオイさんもお風呂から出た
「アオイさん好きな人いるんですね...」
「そ そんなでたらめ言われたら困ります!それは紫娜さんも一緒ですよね?!」
かわいいなぁ
「アオイさんはどんな人なんですか」
「うっ... もうほっといてください!」
あっという間に着替えて脱衣場を出てしまう
いつも弱味を見せない人が綻びたところをからかうのはちょっと楽しい
なかなか椿と蜜璃さんが帰ってこないから少し夜風に当たってたら炭治郎さんが帰ってきていた
何故か屋根の上に座っている
「紫娜!久しぶりだな!」
久しぶりと言っても三、四日だけどね
「全集中の呼吸 常中ですか?」
「前の任務でもっと質を高めようと思ってな!
紫娜はどうしたんだ?」
出会った頃とは雰囲気が全く違う
今も会話しながら呼吸が途切れることはない
炭治郎さんなら話してもいいのかな...
「私は明日からまた長期任務なので少しお話ししたいなって」
こんなに優しそうに笑うのに
どうして炭治郎さんは好きになれないんだろ