第10章 鬼と花
みんなでお風呂に入ることは慣れてるのかな
みんな何気にワイワイして楽しそうだし
子供組と大人組で何となく別れたけど
大人組の中で一番年下だった
「ねえ私たちで恋話しましょうよ!
アオイちゃんとかカナヲちゃんは異性に好きな人いないの?」
顔が赤くなるアオイさんと全く動じないカナヲさんは性格的にどっちとも読めない
「わ、私はい いませんよ!」
「アオイでも嘘をつく時があるんですねぇ」
胡蝶様がノリノリ?!
「ほ 本当です! ねぇカナヲ!」
「...ニコ」
逃げ場を失ったアオイさんは私の隣に来て隠れるように顔の熱を冷ましていた
仲良くできるかも...
っていうか誰が好きなんだろ...
恥ずかしがってるアオイさんが可愛い
「紫娜ちゃんはどうなの?素敵な殿方は?」
へ?
頬に感じた熱は一瞬で冷めてしまった
なぜならもうその相手はいなかったからだ
「私はまだ早くないですか?」
「そんなことない!恋をしてこそ女の子だもの!
で、誰が好きなの?」
「...いつも明るい人でとても優しくて守ってくれてものすごく強い人です」
今でも言ってて恥ずかしくなる
未だに好きなのかも
胡蝶様は私の顔を伺って大丈夫そうなことを確認すると小さく微笑んだ
「キャーーーーッ 素敵!羨ましいわ!」
湯船がたつ
自分のことではないにも関わらず蜜璃さんは頬を赤らめている
それは湯船のせいなのか、恋というもののせいか
いずれにしてもこれが女の子というものなのだろう
やっぱり私にはまだ早い気がする