第9章 自切
しばらく誰もいなくなった部屋で一人天井を見つめる
いくつも並ぶベッドに人が居ないことは怪我した人がいないという証拠だ 私以外
天井を見つめながらお館様の言葉を思い出す
『珠世さんという人の所へ行って欲しいんだ
しばらく鬼狩りの任務は外れていい
ただこれは柱達には頼めない』
理由は聞けなかった
でも柱に頼めないということが衝撃的
何か鬼と関係しているのか
考えると頭が痛くなる
割れた面も作らなきゃだし
椿にまた迷惑かけちゃった
面を作ってもらうのと兼ねて椿を西に連れていったら楽になるかな
西に椿を任せられるかもしれないし
叔父上に椿を合わせられるし...
何言ってんの私
自分に失望するってこういうことを言うのかな
知らず知らずのうちに椿がいることを大変だと思っていたんだ...
大して何もしてあげられてないくせに
親の前でカッコつけただけで
こんなに自分が無責任だったなんて
情けない
左腕だけですんでよかった なんて富岡さんの前で言ったけどただ強がっただけで
本当はそんなこと思ってない
でも目の前でもう人が亡くなるのが
嫌だった