第9章 自切
小話3______
ザシュッ
「ひどいよ紫遊佐いきなり顔を殴るなんてぇ」
「言いましたよね 姉に手を出すなって」
初めて怒りを表した紫遊佐に興味を持つ童磨は
顔の上部が無くなっていた
再生しながらも動く口はへらへらしている
「童磨さんのおかげで今僕は下弦以上の力はありますが姉だけは僕が殺ります」
紫遊佐の顔は童磨への怒りで青筋が立っていた
握りしめる拳には力が入っている
「でもこの左腕はあげないよ?
紫遊佐が邪魔しなければ今頃は救ってあげれたのになぁ」
童磨が掲げる左腕は紫遊佐の姉の紫娜のものだ
ピクリと反応した紫遊佐は童磨を真っ直ぐ見つめるだけだった
「俺が紫遊佐の家族を殺したのにほんと君も君の姉さんも面白いよねぇ!
なんで[紫遊佐が家族を殺した]ことにしたいのか分からない
本当はお姉さんを守りたくて邪魔してたんじゃないの?
....
まぁそんなことあるわけないよねぇ」
近づいてきた童磨
パチンと音を鳴らし扇子を閉じると
紫遊佐の肩を軽く叩いた
「君たちはそっくりだねぇ」