第9章 自切
富岡さんが驚いてるのがわかる
んで、全部察しがついたんだろうな
鬼になった弟とはこの鬼が言う紫遊佐の事なんだって
最近は以前よりも冷静になった
以前よりも楽しめるようになった
以前よりも笑えるようになった
以前よりも寂しくなった
以前よりも怒りが増した
集中出来ている
何に対して怒っているのか
私は鬼に怒っていて自分にも怒っている
これ以上鬼になってしまう人を増やしたくない
全ての人を救えて初めて笑顔が守れる
人を救えずして何が鬼殺隊だ
本当の気持ちに正直になった
紫遊佐は私のことを嫌いと言った
私も紫遊佐のことを嫌いになろうとした
でも無理だった
鬼になった
たくさの人を殺した
たくさんの命を笑った
鬼になることを止められなかった
弟じゃないって言った
そんな自分が憎かった
父上が嫌いだった
厳しかった
いつも殴られた
いつも怒鳴られた
私は父上を好きになろうとした
できなかったのに
自分で刺したとき
悲しくて寂しくて
兄さんが嫌いだった
何かをすれば逃げてた
卑怯だった
強かった
優しくもなかった
痛かった
私は兄さんを好きになろうとした
兄さんは私を笑った
以前よりも冷静になったから考えられる
「紫遊佐を...返せ.....!」