第9章 自切
「...あの...東はこっちです」
ピタッと止まったその動きは私の顔を見ることなく向きを変え、正しい方向に走っていくがしばらくすると急に振り返って言った
「俺は間違ってない」
どうしよう
この人難しい...
なんでかな
柱合会議の前でも見たことあるような...
蜘蛛の山の時に見たのか!
そうだ 禰豆子ちゃんと炭治郎さんを胡蝶様から守ってたんだっけ
あの時の胡蝶様は本当に怖かった
名前なんだっけ...
思い出せない
「着いたぞ」
ただついて走るだけだったのがいつの間にかついていた
結構頼もしいかも
その場所は前の街よりも暗く寂しい
人の気配はぜず寒々しい風景だった
面をつけても顔がビリビリとするこの緊張感はきっと鬼の気配のせいだ
自分で言うのもなんだけど柱と同じ実力の私と本物の柱の二人が呼ばれたということは考えられることは一つ
十二鬼月だ