第8章 久しぶり
いったい何体いるんだろう
さっきから鬼を見つけては斬って女性を運んでを繰り返してもう4人目になる
もうすぐ夜も明けてしまう
せめて明けきる前に尻尾をつかみたい
「誰か...助け...」
なぜこの鬼らは髪を引っ張って運ぶのだろう
大して意味はなさそうだけど
絶対痛いじゃん
さすがにこれ以上姿を隠したまま戦うことは出来ず、鬼も私の存在に感ずいていたため至近距離の戦いになる
地面にへばりつくような姿勢とつり上がった目
鋭い爪と尖った牙
無駄に攻撃したら振り回されている女の人の首が下手したら折れてしまう
逃げられるわけないんだから諦めてくれたらいいのに
そっちの方が疲れないし
炭治郎さんがいつか話してくれた隙の糸なんてものは見えない
炭治郎さんや善逸さん、伊之助さんみたいに五感が優れているわけじゃないけど
相手の動く動作がゆっくりに見える瞬間がある
私はただそこを斬るだけ
しくじった
鬼の気配はするし、まだ拐われた人を探せていないのに
はぁ...
もう夜が明けてしまった