第8章 久しぶり
「伝令!北ニ鬼アリ!」
静かにそう言うとすぐに飛んでいってしまった
なんならもう一言ぐらい言って欲しいような気もする
面をつけ
髪を下ろす紫娜
「蝶屋敷に行きたいんだけどなぁ」
実際は3ヶ月も休ませて貰ったのだ
甘いこと言ってられない
雲がかかっているせいで月の光に頼れない
だが街の光がチラチラと咲いている
草履の音が響いていた道は光とは反対に静まり返っている
足を止めた
掲示板のようなところに1枚の紙がある
その紙を見ると鬼の絵と殴り書いたような字があった
[夜 危ウシ 女ト子供ハ外ニ出ルベカラズ]
近くに血相を変え、傘を被った男の人が荷馬車を引いていた
「すみません!この貼り紙についてお聞かせ願えますか」
「今は勘弁...ってお前女じゃねぇか!
とりあえず俺の家に泊まっていいから早く来い!」
声から判断したのだろう
紫娜はその男について行くことにした