第8章 久しぶり
負けんなよ...
もう振り返ってもあの広い屋敷はもう見えない
それでもずっとこの言葉が響いている
いつか自分の自分に言い聞かせたかった
もっと前に知りたかった言葉
幸せそうな家族を見ることが嫌だったのに
いつの間にか
ああ、自分だけじゃないんだなと思っていた
自分だけが苦しいんじゃない
胡蝶様も炭治郎さんも椿も痛かった
そして投げ出された自分の状況を変えようとしなかった自分を責めてたのを変えてくれた人はもういない
寂しい
一人じゃ寂しい
慣れてたはずの一人の孤独が容赦なく吹きつけてきた
"大丈夫"という言葉には何度も世話になっている
胡蝶様に会ってお話したい
怒りなく話した時の胡蝶様は本当に綺麗だから
炭治郎さんたちとも会いたい
また泣いちゃうかも
煉獄さんに...
うん、煉獄さんに会いたい
会ったらなんて言うかな
好きとは正直に言えないと思う
ただ話せなくてもいいから
そばにいて欲しいな
きっと大丈夫