第14章 愛とは
今日は初めて他族と里作りに関する方針を決める会合が行われる大切な日だ。
さすがのマダラも場を弁えているのか、いつもの服装とは違う背にうちはの家紋が入った物を身に纏っていた。
長がそんな格好で出席するのに側近である自分が仮面を付けて出席する事など到底出来る筈もなく、仕方なく自身も背にうちはの家紋が入った女物の衣服を着用する。
「お前のそんな格好なんて久しぶりに見たな」
「本当は面を付けたままで行きたいけどね」
視線の先には少し光沢のある黒地に花の紋様が施された物を着ている名無しの姿がある。
それは以前、忍である名無しの為に畏まった席でも使えるようにと特別に作らせた物だった。
髪は邪魔にならぬ様に美しく纏められておりよく似合っていた。
いつまでも子供だと思っていたのに、いつの間にかこういう格好が似合う女になっていた。
そんな名無しの姿を見ていると、改めて時の流れを感じさせられる。