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【NARUTO】千手扉間

第13章 いつか見た夢


「万華鏡写輪眼の幻術で己に関する全ての記憶を扉間から消した。名無しは「もう自分の目の前で大切に思う人が死ぬのは見たくない」そう言っていた…。オレはそんな名無しをどうにか救いたかった。自分の想う者に殺される事を受け入れるなんて余りにも悲し過ぎるぞ…」

ずーん、と効果音が付きそうな程にデカイ図体で膝を抱えながら落ち込んでいる柱間の姿が妙に懐かしく感じた。

まさかこの年になっても治らない癖だったとは思わなかった。
見た目はうっとおしい事には変わらないが、それでも相変わらずあの頃から何も変わらない柱間を密かに嬉しくも思った。
そして、その姿に自分でも自然と口元が緩んでいる事に気付く。

「その落ち込み癖、まだ治ってねーんだな。…それにしてもこの俺をも騙すとはな。さすが俺の妹なだけはある。通りで千手に寄り付かない訳だ」

「なっ…!」

その言葉に目を丸くして振り向く柱間の子供の様な仕草に笑いが込み上げる。

誰も名無しが死んだとは一言も言っていない。
勝手に一人で勘違いしたこいつが悪い。
そう言ってやればその顔は瞬く間に綻び満面の笑顔に変わって行った。

千手と手を組み、それから間もなくして名無しは目を覚ました。
まるで自分の出した答えをずっと待ち続けていたかのように。
それは誰よりも平和を望んでいたイズナと名無しの願いが叶った瞬間だった。

「生きているのか…っ!そうか…、良かった。本当に、良かった…」

片手で瞳を覆い隠しながらそう言う柱間の手は、少しだけ震えていた様な気がした。
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