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【NARUTO】千手扉間

第11章 対なる存在


「…やはり黒炎を使い防御したか。相変わらず便利な術だ」

この術を見るのは今日が初めてではないし、今までにも何度か見た事がある。
あの黒炎に触れれば最後、対象物を燃やし尽くすまで消えない攻防共に優れた術だ。
しかし、どんな術にも必ず欠点となる弱点がある。

この暗闇の中では万華鏡写輪眼の瞳術も十分に力を出し切れはしないだろうし、自身の位置を掴めぬ以上はこちらが有利。
黒炎も己の意思で操っているのならば、その隙を突けさえすれば攻撃を食らう前に仕留める事も可能だ。

チャクラを感知されぬ様に最大限まで抑え、飛来神の術で陽動を掛ける。
作戦の段取りを頭の中で練っていたら、ふとポツリポツリと水滴が身体を濡らし始めた事に気付いた。

通り雨だろう。
空を見上げれば、自分達の頭上には灰色の薄暗い空が広がっている。
時間が経つにつれて雨脚は次第に強まり、ついには足元に大きな水溜りが出来る程になっていた。

「…それでも、なお消えぬか」

激しく降り続く雨の中でもその黒炎は消える事無くゆらゆらと不気味に揺らいでいる。

それでも、この機会を逃す訳にはいかない。
これだけの水があるのならば、自身の水遁と合わせれば今のチャクラでも十分あの黒炎を消す事が出来る。

この機会を逃したら次は無い。
止む事のない雨を肌に感じながら薄暗い空を見上げていると、そう思えて仕方が無かった。
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