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【NARUTO】千手扉間

第6章 それぞれの求めるもの


陽もだいぶ傾き始め部屋は随分と薄暗くなっていた。

それでも、その場からは動く気になれず壁にもたれ掛かったまま何をする訳でもなく外を見つめる。
あれから自分なりに色々と考えた。
それでもやはり自分にとってうちは一族は敵。
兄者の言う様に「腑を見せ合う」事など自分には出来ない。

それが自分の答えだ。
しかし、そう答えを出した後すぐに浮かぶのは名無しの顔。
名無しの事は嫌いじゃない。
しとやかな女だとは言い難く可愛げはないが、それでもその生き様や仲間を大切に思う気持ちは理解出来るし、何より一緒に居て嫌な気分はしない。

「…うちはイズナか」

あの兄弟の事は幼い頃から知っている。
マダラの弟というだけあって瞳術も忍術も他のうちは一族の者より秀でており、兄者がマダラと戦い、自分がイズナと戦う事がほとんどだった。

初めて名無しを抱いた時、自分に誰かを重ねて見ていた事にはすぐに気付いた。
いくら口では無関心そうな事を言おうとも瞳は嘘を付けない。

あの時はそんな事気にもしなかったが、今は違う。
どうしてあの時、自分は名無しに触れたいと抱きたいと思ったのかそれは分からない。
間違った事をしたとは思っているが後悔はしていない。
矛盾している事は分かってる。
自分は名無しをどうしたいのか、それが分からなかった。

こればかりは考えてもすぐには答えが出る事は無く、無意識に小さな溜息が漏れ再び外へと視線を戻すも外の景色は相変わらず何も変わらなかった。
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