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【NARUTO】千手扉間

第1章 出会うはずのなかった二人


今のところは印が結べぬ様に手錠を掛けているらしいが、捕虜としてここに居る間は千手の脅威にならぬ様、封印術を掛けておいた方がいいだろう。
そうと決まれば話は早い。
足早に女の居る捕虜と呼ぶには随分と優遇されている牢舎へと向かう。

部屋を開け入った先には手錠を掛け窓辺に座ったまま外を眺めている女の姿があった。
服装は戦闘時の物とは違い誰かが用意したのか藍色の衣を身に纏っており、それだけでも随分と印象が変わって見えた。

「…お前の兄は何を考えている。何故私を生かす?さっさと殺せば良いものを」

そんな事を考えていたら女が先に声を掛けて来た。
視線は相変わらず窓の外へと向けられていたが、見向きもせず自分の気配を感じ取ったところを見る限り探知能力に関しても精通している事が分かる。
女の問いに先程兄者と話していた事を教えてやれば怪訝そうな顔でこちらを見つめる瞳と視線が合う。
うちは一族特有の漆黒の髪と瞳が薄暗い部屋に溶け込み、まるで闇の中に居る「何か」に吸い込まれる様な錯覚に陥る。

「兄者がお前を生かすと決めた以上、お前には生きてもらう。念の為、チャクラが練れぬ様に一時的ではあるが封印術を掛けさせてもらう」

「勝手にしろ」

女の両手首に封印術を施しそのまま部屋を後にする。
これが自分と女との最初の出会いだった。
そして、この時が自分達の始まりだったのかもしれない。
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