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【NARUTO】千手扉間

第5章 真贋【*】


その姿があまりにも普段と違うものだから、ついおかしくて笑ってしまった。
助け船を出そうと扉間の方へと視線を向けるが、扉間も同じ様に娘達に捕まっているのか、げんなりとした様子で酒を飲んでいた。

「さすがの扉間も娘達に囲まれれば大人しくなるものだな」

「まったく…。二人とも随分と疲れている様ですし、笑っていないで助けてあげたら如何です?」

その言葉に笑いながら返事し、そのまま名無しを呼び手招きする。

いつもならば絶対に来てはくれないのに、今日に限っては特別なのか素直にその言葉に従ってくれた。
名無しもようやく解放されたのかと思ったのか、少し疲れた様子が見て取れる。

「大丈夫?皆の相手で少し疲れたでしょう。後の事は良いから今日はもう休んでらっしゃい」

「いえ…、折角の晴れの日ですし、私はまだ大丈夫です。それに皆さんも待っていらっしゃるようですし…」

「まぁ、そう言うな。皆の者から酒もかなり勧められて飲んでいただろう?あの者達にはオレの方から言っておくから今日はもう休むと良い。
それと、戻るならアイツの事も助けてやってくれんか?お前と同じ様に捕まっとるみたいだしな。何かきっかけが無いとあの場からは出にくいだろうし、頼むぞ」

飲み過ぎたかなと思い始めていたから、二人の申し出は正直とても有難かった。
柱間の言うアイツに視線を向ければ、数名の女性に囲まれながら疲れた様な顔で酒を飲んでいる姿が目に入る。
面倒だなとは思いつつも今回ばかりは柱間の頼みを聞かない訳にはいかない。
そのまま扉間の近くまで行けば、案の定疲れ切った様な瞳をしていた。

「扉間様、少しお時間よろしいでしょうか?」

そう物腰柔らかに言えば周りの女性の視線が一気に自分に集まる。

何となく居心地の悪さを感じたが、頼まれたからにはやらぬ訳にも行かず、その視線に気付かぬ振りをする。
顔が引き攣らない様に笑顔を作るのも一苦労だ。
そんな自分の様子に気付いたのか、何かを言う訳でもなく周りの女性達に一言「失礼する」と言い残し二人で部屋を後にする。
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