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【NARUTO】千手扉間

第2章 交換条件【*】


今まで出会った事のない性格の女だなと思った。

美しい顔立ちはしているが、男勝りな気性の持ち主で全く可愛げがない。
口調も女のものとは思えぬ様な冷たさを感じる時もある。
それでも兄者は「そこが名無しの愛らしいところではないか」と豪快に笑いながら言っていた事を思い出す。

状況は違うが、自分が動く度に声を漏らし艶のある息を吐く姿を見れば確かにそう思わない事もない。
それは、普段の冷めた態度からは想像出来ない程、官能的で男の性をいとも簡単に昂らせるものだった。
耳に響く艶めかしい声がずっと頭に残る。

その声をもっと聞きたくて更に奥深くへと押し込めば背中に回っている手に力が入る。

「はっ…っ、こっち向け…っ」

「はっ、んん…!ふっ…」

そろそろ自身の限界を感じ、舌を絡めながら再び後ろへと押し倒す。
そのまま本能のままに身体を動かせば、自身を掴む女の手が更に強くなる。

余裕なんてない。
額から汗が数滴胸元に落ち、まるで行為の激しさを表わしているかの様だった。
お互いの息遣いや肌をぶつけ合う音が静かな部屋に響き、どんどんと早さを増して行く。

「   」

女の瞳には薄っすらと涙が浮かんでおり、声には出ていないが誰かの名前を呼んだ様な気がした。
誰かを想っていながら他の男に抱かれるのはどんな気持ちなのだろうかとぼんやりと頭の片隅で思うが、今は深く考えられる程余裕はない。

激しく腰を打ち付ける度に悲鳴にも似た嬌声が漏れ、自身を締め付ける。
その直後に自身の限界を感じ、そのまま女の腹部へと欲を吐き出す。

心臓の鼓動は激しく鳴り響いており、当分落ち着きそうにない。
上がった息を落ち付けようと深く息を吸えば、同じ様に息を上げている女と視線が合う。
何かを言う訳でもなく、そのままゆっくりと呼吸を落ちつける様に瞳を閉じる。
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