第2章 交換条件【*】
「んっ…、っ…」
胸を揉み拉きながら突起に舌を這わせ口に含めば、女の口からは艶っぽい声が微かに漏れる。
忍として生きて来たからか、身体は無駄なく引き締まっており、女性特有の柔らかさの中に感じるしなやかな手触りが心地良い。
口をきつく結び、声を漏らさない様に我慢している姿にそそられる。
身体の線に沿って口付けを落しながら、柔らかな身体を愛撫する。
無意識なのか、時折肩に置かれている手が髪を優しく撫でる。
「っ…!ちょ、やだ…っ」
「…耐えるな」
足の隙間に身体を入れ込み、秘部に舌を這わす。
閉じようと抵抗する足を押さえ、逃げられない様に固定する。
ゆっくりとそこを愛撫すれば、女の口からは熱の篭った艶めかしい声が漏れる。
その声や表情に煽られる様に気持ちはどんどん昂る。
段々と主張し始める自身の欲望は、早くその身体を感じたいと言わんばかりに大きくなる。
己の快楽の為だけに無理矢理に抱くつもりはないし、例え身体だけの関係であろうとも、その時だけは互いが互いを感じ合える方が良い。
そろそろ己の限界を感じ、再び組み敷く様に覆い被さり口付けを落す。
特に嫌がる訳でもなく、素直にその口付けに応えた事に多少驚いたが嫌な気分はしなかった。
***
「力、抜いてろ」
艶っぽい声でそう耳元で囁かれると同時に入口に強い圧迫感を感じる。
ゆっくりと中に感じる感覚に自然と声が漏れ、無意識に男の背中へと腕を回していた。
男の熱の篭った声と息が聴覚を刺激し、身体が勝手に反応する。
人間の身体とは厄介なもので、一度受け入れてしまえば理性で快楽を抑え込む事は難しい。
触れられれば身体は反応するし、より快楽を求めてしまう。
そんな感覚に自分でも随分とふしだらな女になったと自虐的に笑えば、それに気付く様に男と瞳が合う。