第17章 愛とは その四【*】
【R18 ver】
抱き締められ深く口付けをされたまま扉間が後ろへゆっくりと倒れ、その上に自身が乗っかる様な形になる。
相変わらず心臓はうるさいけれど、その感覚でさえも心地良く感じる。
貪る様な激しい口付けに頭がくらくらする。
「…言っておくが、これから先ワシはお前を手放す気などないからな」
唇が離れれば至近距離で視線が重なり、そのまま抱き締められ耳元でそう呟かれる。
その声がやけに色っぽくて身体がぞくりと震える。
そのまま身体を横に転がす様に移動させ、今度は自身に扉間が覆い被さる様な体勢に変わり、またすぐに唇を塞がれる。
するすると寝巻の帯を外され、露わになった身体に何度も口付けを落とされる。
扉間から与えられる行動一つ一つに意識が集中してしまい落ち付かない。
触れられれば次がもっと欲しくなる。
愛する男に触れられるという事がこんなにも自分を狂わせるなんて、もうずっと忘れていた。
***
露わになった肌に唇を這わせながらその場所に辿り着く。
脇腹に残る真新しい傷跡。
縫合された跡が未だ痛々しく残っており、あまりの傷の深さに思わず眉をしかめる。
名無しを斬った時の事は今でも鮮明に覚えている。
斬った時の感覚も痛みに耐える声も、真っ赤に染まった手も全部。
今回は運良く最悪の事態は免れたが、この手で殺していたかもしれないと思うと今でも背筋が凍る様な思いだ。
それでも、記憶が戻りこうやって傷付けた事を後悔出来る様になった事はせめてもの救いなのかもしれない。
もし、あのままマダラが術を解かなければ自分は何も知らず、ずっと虚無の中で生きていただろう。
こうやって名無しを愛し愛される事も無かった。
「んっ…、扉間、くすぐったい…」
「…我慢しろ」
傷跡を軽くなぞる様に触れればその感覚から逃れ様と身体を捻る仕草が色っぽい。
自分の名前が名無しの口から紡がれる度に愛おしさが溢れる。
こちらを見つめる瞳も声も全てが自分だけに向けられているという事がこんなにも満たされるものだとは思わなかった。
愛は人を変えると言うが、まさかそれが自身の身に起こると誰が想像出来ただろうか。