第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
N side
「あれ…もしかして…」
運転中、助手席に座ってるカズヤがなにか呟いた。
「うん?どしたぁ?」
「これね、真っ暗な画像かと思ったら、なんか写ってるの…」
「え?」
ちらりとカズヤを見ると、画面をこっちに向けている。
さっき、ラインで送られてきた翔ちゃんからの真っ黒画像。
「ちょっと明度上げれば良いのかな…?」
「コントラストは?」
「…うん、ちょっとやってみる…」
カズヤは先程の画像をいじりだした。
なんか四苦八苦してるみたいだけども、暫くしたら動きを止めた。
ちらりと見たら、真顔で画像を凝視してる。
「…どした?」
「……うん……」
「カズヤ?」
ぶうってほっぺたが膨らんだ。
「…なにしてんの…翔と雅紀…」
「え?」
ちょうど赤信号で停まったから、カズヤが画面を見せてきた。
「うわ…」
これは多分一階の寝室のベッドで、翔ちゃんと相葉さんが絡み合ってる…
有り体に言えば、素っ裸でセックスしてるように見える。
っていう、画像で…
「なぁんでこんなことしてんのさ!ちゃんとさっき、ママに事情があって来れなくなったって書いたのに!」
「そうだよねえ…なにのんきにえっち画像送ってきてんのさ…」
もう理解不能…
あのおじさんたち、最近ちょっとは落ち着いたと思ったけど、また性欲大魔神復活したか…?
にしても変だな…
こんな露出狂的なことも好きだっけ…?あの人達…
「いや、違うな」
「え?」
信号が青になってて、後ろからクラクションを鳴らされた。
慌ててブレーキ解除してアクセル踏んで発進させて、ちょっと考えた。
「ねえ、カズヤ…」
「え?なに?」
ちょっとぷりぷりしちゃってる…
まあ、無理もないか。
「これさ、誰が撮ったの…?」
「え?……あれ…?ホントだ…」
「まさかタイマー掛けて撮ったとかじゃないでしょ…これ…」
「そうだよね…そんなのとびきりの変態じゃないか…」