第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
O side
潤ったらさー…
俺のことすごい好きじゃん。
「へへ…えへへへ…」
「なに…寝てんの?起きてんの?」
「…起きてる…」
「なんだ、起きてたんだ。夢見て笑ってるのかと思った…」
助手席に座る俺の上には、これでもかって潤の上着とか被せてある。
大丈夫なのに…
でも、嬉しい。
にやついてる顔を見られたくなくて、被ってたキャップをちょっと下げて顔を隠した。
「…智、なんか食いたいものある?」
「んー?なんでも」
さっき、潤は翔くんに電話したけど、出なかったようで。
後でメッセージいれとくわ、といって俺にいっぱい服とかブランケットとか被せて、車を再び走らせた。
「あっ…」
「えっ…どうしたの?」
「あちゃー…やっちまった…」
「ん?」
「ほら、あのお取り寄せしたテリーヌのパティ…」
「ああ…あの美味しいやつ…」
「あれ、冷凍だったから半解凍してそのまま持ってきてんだよね…」
「ええっ…」
「あんな量、ふたりで食べきれないよね…」
ふうむと考え込む顔になった濃い顔も、かっこいい。
でも笑うと天使みたいに可愛いんだよねぇ…
「智?」
「ふにゃ?」
「…うーん…」
赤信号で止まると、俺の額に手を当ててきた。
「結構キテるなあ…」