第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
M side
「智ー」
「ふにゃ…」
「いい加減、車に乗ったら寝るのやめろよ…」
「だって…振動が気持ちいいんだもん…」
「じゃあ俺の上に乗ってる時だって眠くなんだろ」
「どうして潤はすぐえっちに結びつけるの…」
「さっきまでエッチなことしてたからだろうが…」
「おではもう40ちゃいなの…」
「あら」
助手席で智はうんしょと座り直した。
半分寝てたから、だいぶずり下がってたからな。
「寂しい?」
「え?」
「…俺が寝ちゃったら、寂しい?」
「あら…」
珍しいこと言い出す。
どうしたのかと、ちらりと助手席を見るとちょっと真顔だ。
「なに。変な夢でも見た?」
「えー…別にぃ…」
いじいじと、パーカーのポケットの縫い目をいじり始めた。
「寂しいよ」
「…うん…」
「智と一緒に居られるだけで、俺は幸せだけどさ。でもやっぱり、こうやって暇のない時期になると…眠ってる智もかわいいけど、やっぱ寂しいなって思ったりはするよ?」
「…うん…わかってる…」
目を少し擦ると、手を伸ばして来た。
ハンドルを左手で持ちながら、右手でぎゅっとその手を握った。
「どーしたのよ」
「…別に…これからは、寝ないようにする」