第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
「もしかしたら、夜になったら来てくれるかもしれないからさ。元気だしなよ」
「…多分、あの娘に付いてると思うよ…ママのことだから…」
「まあ…そうだね…ママさんなら、そうするだろうね…」
車を発進させると、カズヤはスマホを閉じた。
「翔、ほんとに電話掛けてこないね」
「どうしちゃったのかな…もしかしてもう潤くんや大野さんが来てて、盛り上がってんのかも」
「そっかあ…」
ちらりと後部座席に残された、ママさんからのプレゼントを見た。
「俺が代わりに渡しちゃっていいのかなあ…」
「いいって。ママさんがカズヤから渡してって言ってたんだからさ。ちゃんと渡してあげなよ」
「うん…」
ちょっと口が尖っちゃってる…
拗ねる時の癖だ。
「なにそれかわいい…」
「え?なんか言った?」
「ううん。別に…」
もうさ、カズヤは24歳なんだよ?
いい大人の男なのにさ…
身長は結局…俺よりちょっと大きくなった。
多分もう成長期は終わったから…これで…打ち止め…かなあ…?
でもやっぱ男なんだよ。
なんでそんな仕草が可愛いって思うんだろね。
俺は37歳のおっさんになったっつーのに…
カズヤは、ますます磨いた玉がピカピカになるみたいに…
眩しい。