第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
「せっかく翔が、企画してくれたのに…」
「しょうがないでしょ。もしも、あの娘がカズヤだったら、きっとみんなママさんと同じことすると思うよ?」
「…うん…」
ママさんを迎えに行って。
ちゃんと男の人の格好でさ。ちょっと畏まっててさ。
手にはいっぱいの紙袋を持ってて、みんなにクリスマスプレゼントと…
『まーくんにっ誕生日プレゼント渡すのよっ』
って、野太い声を後部座席で上げてた。
ちゃんとした格好をしてきたのは、相葉さんを怖がらせないためで…ちゃんとそういうとこ気のつく人で…いい人なんだよなあ。ママさん。
でもでかいし体格もいいから、ちゃんとした格好してるとどっかの暗殺者みたいな雰囲気になるんだけどね…
家に向かってるとこで病院から連絡があって。
俺たちが送ったほうが早かったから、病院まで送って…
一緒に病院の中に入って様子を見てたんだけど、ママさんの方から、今日は行けないって…
一番残念なのは、ママさんなんだろうなあ…
「あ、そうだ。カズヤ。翔ちゃんにラインしといて?」
「ん。どう言っておけばいいかな?」
「事情があってママさん来れなくなったって。あと、ちょっと遅くなってごめんねって」
「はぁい」
スマホをダウンのポッケから取り出して、元気なくぽちぽちとカズヤはスマホをいじってる。