第2章 ローズ・マダー
根本まで埋まる、その繋がった部分をじっと見つめる。
僕は…僕は、誰
「智…?」
暫く動けないでいると、名前を呼びかけてくる。
汗が、目に入ってよく見えない。
手首で拭って、よく目を凝らす。
泣きながら僕に腕を伸ばす、潤を見つめた。
ああ…潤
もっと僕の名前、呼んで…?
「潤…」
「智…どうしたの…?」
泣きそうになって、潤の首筋に顔を埋めた。
「なんでもない…なんでも…」
「智…」
僕の後ろ頭を潤の手が包んだ。
ゆっくりと髪を撫でられると、また泣きそうになる。
「潤…潤…」
「どうしたの…?智…」
ぎゅっと潤の身体を抱きしめた。
シーツにしみるほどかいた汗で、まるで水を浴びたようになってる。
「痛いね…ごめんね…」
「ううん…大丈夫、だから…」
潤の中はキツくて…
十分に時間を掛けて解すこともしなかったから、固くて…
痛みは、容易に想像できた。
「…ごめんね…」
「智…謝らないで…」
僕の背中に腕を回すと、しっかりと抱きしめてくれた。
「俺が…望んだことだよ…」
「…うん…」
「智とこうなれて、嬉しいから…だから…」
「潤…」
「泣かないで…智…」