第6章 シュガー・ビート
「翔ちゃん…?」
ふと、顔を上げると智くんが戻ってきてた。
白いTシャツを着てステテコみたいなハーパンを履いてる。
髪はまだ濡れてて、バスタオルを被ったままだ。
「どうしたの…?」
「いや…」
衝撃的で…
「なんか顔が青いよ?」
「なんでもございません」
ゲイビ…勢い余って見てしまった…
もちろん、必要なものとか…注意点とか色々調べた上で。
勢い余って、他人様のその…ゲイの方のビデオを…無料の動画サイトで…見て、しまった…
「…なに?じっと見て…」
「え…?いや…」
ビデオはOH MY GODだったが…
全然違う…智くん、すっごいかわいいんだが…
本当に同じ男なのか…?あれは…
「ちょい、ちょい…」
手招きして、ソファの隣に座ってもらった。
智くんは変な顔しながら、歩いてきて俺の横に座った。
「どーしたのさ?」
「いや…あのさ…ローションとか、ある…?あと、ゴム」
「えっ…な、ないよそんなもの…」
「だよね…じゃあ、今日はやめよう」
「えっ…!?」
ポカーンと口を開けて、俺の顔を見たまま固まってしまった。
「いや…あのね…?智くん?聞いてる?」
「あ…?」
「ローションとゴム、最低でもこれがないと、智くんの体を傷つけてしまうことになるから…だから、ね…」