第6章 シュガー・ビート

「ヤバい…」
「ん…？」

智くんの唇を食みながら、胸がばくんばくんして。
止まんないんだ。

「あの…智くん…」
「うん…？」

ぐるっと体勢を入れ替えて、智くんの上に覆いかぶさった。

「わ…どしたの…？」
「あの…さっきの話なんだけど…」
「さっきって、いつ？」
「だいぶ前なんだけど…その…」
「え？」

きょとんとした顔で俺を見上げてくる。

「欲しいんだけど」
「は？」
「智くんが欲しいんだけど」
「…う…ちょ、ちょっと…」

焦って俺の身体を押してくる。

「ま、待って待ってっ…」
「じゃ、じゃあっ…」

起き上がって、ガシッと智くんの手を握った。

「じゃんけんしよ！？」
「…は…？」
「じゃんけんして、上か下か決めよう！？」
「ええー…」

ぐいっと手を引っ張って、智くんの身体を起こした。
ぎゅっとそのまま抱きしめて、ほうっと息を吐いた。

「だって…俺、欲しい…」
「翔ちゃん…」
「あなたが欲しいよ…」

腕に力を入れると、智くんも俺の身体を抱きしめてくれた。

「そう…だよな…」
「智くん…」
「ごめん…俺も、翔ちゃんが欲しい…」

また胸が…心臓破れるかと思うくらい、バクバクし始めた。