第6章 シュガー・ビート
言ってから、ばふっと顔を俺の胸に埋めてしまった。
「ああああ…言わされたぁぁぁぁぁ…」
もがもが俺の上で、足をバタバタさせてる。
「んもお…かわいいんだからっ智くんっ…!」
「んもおおお!翔ちゃんだって!かわいいじゃないか!」
バタンバタン足の動きが大きくなって、上半身も反動で俺の上で波打っている。
可愛すぎる。
なんなんだ。
「可愛いのは、あなただよ…」
「翔ちゃんだってかわいかったもん!」
「そんな照れちゃって…」
「翔ちゃんこそ!俺の顔見てイッただろ!?」
「ぶ…はい…まあ…」
「かわいいじゃねえか!」
ぎゅうって智くんが俺のこと抱きしめた。
「…翔ちゃんが、かわいいんだ…」
「…光栄です…」
俺もちょこっと動く手で、智くんのことちっちゃく抱きしめた。
「…好き…」
「うん…」
「好き…」
「俺も、好きだよ。智くん」
そっと智くんが顔を上げて。
じっとまっすぐ、俺の目を見た。
真っ赤なままの顔が近づいてきて。
目を閉じると、唇に柔らかい感触。
唇から、智くんの体温が伝わってきて。
智くんの”好き”が、唇から頭の中に流れ込んでくるようだった。
キスってなんて素敵なんだって。
思った。