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カラフルCU【気象系BL小説】

第6章 シュガー・ビート


サワサワとぽんぽんしていた手で、智くんの細い背中を撫でた。
智くんは何も言わないで、俺の腕の中でじっとしてる。
服越しにちょっぴり高くなってる体温を感じた。

ああ…温かいな
安心する、幸せな温度

ふわふわの猫っ毛の髪に鼻先を埋めて、智くんの匂いを感じてたら、胸が一杯になってきた。

なんか…幸せ…

ふうっと息を吐きだして。
智くんのいい匂いを吸い込んで。
体温を感じて。

たったこれだけのことなのに。

「…なんでなにも言わないんだよ…」
「智くんこそ…なんにも言わないじゃん…」
「なんか言えよ…」
「好き」
「ぐ…」
「好きだよ。智くん」
「ま、待て…それ以外…」
「智くんは?」
「ぐぐ…」
「俺のこと好き?」
「…言わない」
「えーなんで?言ってよ…」

ぎゅううって智くんは俺のシャツを握りしめた。

…俺はほぼ確信していた。

嫌だったら、嫌いだったら…とっくに智くんは逃げ出してるはず。
なのにこうやって俺とくっついて居てくれるってことは…

「言わないと、くすぐるぞ」
「やだ…」

人に体触られるの、大嫌いなくせに…
こうやって俺の腕のなかにいてくれるってさ。

…そりゃ、わかっちゃうでしょ。

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