第6章 シュガー・ビート
挟み込んだ唇を少し緩めて。
逃げていかないから、舌を出して。
ぺろりと唇を舐めてみた。
またピクリと反応してくれる。
唇の間にぬるりと舌の先を滑り込ませたら、少しだけ。
少しだけ唇が緩んで。
思わず、口の中に舌を突っ込んだ。
少しびくっと引いたけど、頭の後ろに手を入れて引き寄せた。
唇を押し付けるように、口の中に舌を侵入させた。
柔らかい唇の裏側を舐めて。
歯列を割ってひっこんでた舌を探し出して。
少し絡めたら
「しょ…ちゃ…」
なんか、甘い声が聞こえてきて。
思わず唇を離して顔を見た。
とろんとした目をして…
半開きにした唇はグロスを付けたように光ってる。
紅潮した頬は、苦しいからじゃなく
「気持ち…いい…?」
一瞬目を見開いて、一層ほっぺは赤くなった。
今度は耳まで赤い。
「だっ…て…」
「ん?」
「うまい…もん。翔ちゃん…」
そう呟いて、俺のTシャツをぎゅっと掴んだ。
「じゃあ…もっとしてもいい…?」
「…いい…よ…?」
ちょっと不貞腐れたような顔をするから、ちゅっとほっぺたにキスして。
それから耳にキスして。
そのまま耳たぶを食んで、首筋に唇を下ろした。
ビクビクって反応が来て、それを感じてまた唇に戻った。