第6章 シュガー・ビート
その顔は…
あのときの顔
「やっ…え…?」
ぐいっと顎を持って、顔をよく見た。
そう、あのときの超絶エロい顔だ。
「…いい…」
「へ…?」
「凄くいい。その顔…」
「や…やめてよぉ…」
瞼に焼き付いて離れなかった、この顔…
「智くん…」
「やだぁ…翔ちゃん…恥ずかしい…」
女の子みたいな恥ずかしがり方をして、顔を背けようとする。
顎を持ってる手に力を入れて、じっと見つめた。
「やばい…かわいい…」
「なにいってんだよお…」
「かわいい…」
赤くなってた頬がますます赤くなって。
どうしていいんだかわからないって顔してる。
「俺…女じゃないもん…」
「知ってる」
「なんで?もう、やめようよぉ…」
顎を持ってる手を、いやいやと顔を横に振って外されて。
ソファの背面に顔を埋めるように隠してしまった。
目の前には、顕になった首筋が、吐き出す荒い息と一緒に動いてる。
思わず
「ひゃっ…」
首筋にかぶりついた。
唇で首筋を辿って、耳たぶを食む。
びくっと身体が動いて、俺の肩をまた押してくる。
「う…やぁ…なにしてんのぉ…」
「だって…食べたい…」
「なんでぇ…?溜まってんの…俺じゃなくていいじゃん…他に女いっぱいいるじゃん…」
「ちがう…」
「なにが」