第6章 シュガー・ビート
あんな卑猥な物、中学生のときに初めてエロ本見た時以来の衝撃で。
ぞくぞくと背中から尻に掛けて、勝手に快感が這い上がってくる。
自分を握る手の速度が自然に上がってしまって。
外のどこでするよりも感じてしまう。
「う…あっ…」
びくりと密やかに身体を震わせる智くんの幻影に合わせて、自分も果ててしまう。
「はぁっ…はぁっ…あぁ…もぉ…」
湯を浴びながら、こんなことをするのは久しぶりで。
年齢とともに、そういう欲も減ってきたかと思っていたのに。
だから、自分の衰えを感じたくなくて、外でするオナ活始めちゃったんだが…
手には大量の精液が纏わりついていて、次々と湯が掛かって流れていく。
まるで思春期の頃のような量。
「なにを…やってるんだ俺は…」
思わず出てしまった独り言が、浴室に響く。
「なにやってんだよ…」
すっかり手についた白い液体が流れてしまうと、ぶるっと頭を振って。
それでも智くんの幻影は容易に脳裏からは出ていってくれなかった。
風呂から上がって荷物を持ってリビングに行くと、冷蔵庫から酒を出してきて煽った。
なんだかもう、現実感がないほど衝撃で。
身体はクタクタなのに、脳みその芯は冴え冴えとしてて。
もう寝なきゃいけない時間になっていたのに、眠れそうもなかった。