第2章 ローズ・マダー
肩に手を掛けた。
少し、びくりと震えた。
目が…揺れて…
「始めちゃったら、止めないよ…?」
「だから…もう、いい…」
松潤が僕の腰に腕を回して。
抱きついて、僕の胸に顔を埋めた。
緊張してるのが伝わってくる程、身体が強張ってる。
背中に腕を回して、少し手のひらで擦って…
初めて翔に抱かれた日のこと、思い出した。
あの日の僕も…こんなだった。
男に恋愛感情を抱くなんて、翔が初めてだった。
翔が僕の初めての男だった。
なにもかも、初めてで…
どうしていいかわからなくて。
抱かれたいのに、泣いてしまった。
松潤の緊張が、ほんの少し緩んだのがわかったから、身体を離した。
キャビネットから、色々準備して取り出すと、また松潤が緊張するのが見えたけど…
もう、止まってやんないからね…?
枕元に放り投げるように準備したものを置くと、布団を捲くりあげた。
「おいで」
そう言うと、立ち上がって回り込んできた。
でも、ベッドの横で突っ立ってる。
バスローブを脱いで、ベッドに寝転がる。
松潤も同じようにバスローブを脱いで、横に寝転がった。
僕と違って、真っ白できれいな肌は、既にもうほんのりと赤くて。
触れたら、どうなるんだろう。