第6章 シュガー・ビート
もちろん、ソーシャルディスタンスはばっちりと取った上で、マスク着用。
潤に至ってはフェイスシールドまでつけてる…すげえな…
楽屋のソファの前に置かれたテーブルの上に、モニターを載せてふたりで映像チェックをしている。
別々でという案もあったが、一番広い部屋で間隔を取れば大丈夫ということで、久しぶりにメンバー一同が揃った楽屋になった。
Vにいさんや、キンプリの連中もそうしてるみたいで、久々に会った面々もなんだか嬉しそうだった。
やっぱ俺たちみたいな職業は、ステージがないとね。
なんて再認識した。
「やっぱさあ…これがないと、楽しくないよねえ?」
「まあほんと久しぶりだもんな…いつ以来だっけ?」
「わかんない」
「…うん。知ってた」
本番まではちょっと時間があって。
リハがさっきまで行われてて、このあと建込みの直しが入って、3グループ連続で本番の収録の予定だ。
潤の方でも演出打ち合わせが一区切りついて、楽屋で休憩中。
楽屋は非常に和やかな雰囲気だった。
そしてなんか、そんな空気がとても嬉しくて。
いつもより浮かれた気分になってた。
ニノはソファに寝そべってオンラインゲーム中。
我らが御大は…
「あれ?どこいった…?」
楽屋に姿が見えなかった。
「もしかして…御大…」
演者もスタッフも最小限で、収録スタッフさんや技術スタッフさんも最小限だから、いくらでも隙はある。
「マジか…」
さすが、どんなに日焼けしても釣りに行って、事務所にバカみたいに怒られたことのあるリーダー大野智だ。
こんな状況でも、オナ活を忘れないとは…
尊敬する。