第2章 ローズ・マダー
「俺と、付き合ってよ…大野さん…」
小さく…切ない声が聞こえる。
「…いいよ…?」
俺を抱きしめる腕に、力が入った。
痛いくらいの力で。
「…ホント…?」
「うん…でも…」
「でも…?」
「条件がある」
それを飲み込んでくれるのなら…
僕をあげる
「…なに…?」
そっと身体を離すと、俺の目を覗き込んできた。
松潤の香水の匂いが、ふんわりと鼻に残る。
「僕が…おまえを抱く」
「…え…?」
「それが聞けないのなら、付き合わない」
できないでしょ?
睨みつけるように見つめると、思った通りの戸惑う表情。
わかってるんだよ
そこまでの決意は、ないんだよね?
精一杯、冷たい目で見てやった。
あの時の、翔みたいに…
見下して、軽蔑して…
離れようとしたら、肩を掴まれた。
「…わかった」
「え…?」
顔が、みるみる赤くなっていく。
じっと見てたら、耳まで赤くなっていった。
「…それでも、いいから…」
「…いいの…?」
「…いい…」
「だって…アナルにちんこ突っ込むんだよ?」
「…生々しいな…」
「いや、だって…そういうことだよ?わかってんの?」
侮っていたかも知れない
「…わかって、る…」