第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
ふわふわ…しあわせな時間…
「智くん…俺、すんごいしあわせだよ…」
「どうしたの急に…」
「んふふ…なんでだろうね。インタビューでいろいろ聞かれたから、いっぱい色々思い出したからかな?」
「そっか…」
きゅっと。
テーブルに載せてた手を握ってくれた。
「俺も、しあわせだよ」
「うん…」
ここまで…長い道のりだった。
精一杯生きてきたつもりだけど…やっと今、本当に生きてるって…そう実感できる。
息をしてる
「翔ちゃん…」
智くんの唇が近づいてきた。
軽く重なって、またすぐに離れていく。
「やだ…」
「え?」
「もっと…智…」
そう言うと、かあっと顔が赤くなって。
それから、本当に本当に…嬉しそうに笑うんだ。
「うん…」
そう言うと、何度も何度もキスしてくれて。
ぬるりと智くんの舌が唇を割って入ってきて、俺の舌と絡ませてくれる。
「…ぁ、ね…智…くん…」
「ん…も、我慢できねぇ…」
俺の手を取ると、立ち上がらせてくれて。
でも足にうまく力が入らなくて、かくんってなってしまう。
「うわぁっ…」
突然、智くんが俺を姫抱っこして…
「ちょ、おも、重たいでしょ!?」
「平気!」
寝室まで一直線に走っていった。