第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
「ふうん…そんなことまで突っ込んで聞かれたの…」
ダイニングテーブルでお酒を飲みながら、智くんの作ってくれた豆腐の薬味大量のせを食べてる。
「うん…まあ、仕事に復帰直後はもっと不躾なのもあったけどね。今日の人は、ちゃんとなんか俺のことわかってくれてるって感じだった。ファンなのかな?」
そういや、潤の名前を出したらガッツポーしてたしな…
「いいじゃん。そういう、俺たちを理解してくれてる人が、ちょっとずつ増えてたくさんになったらさ…もっとオメガの人の仕事も子育てもやりやすくなるしね」
「お?なんか智くん。珍しいこと言うね…」
「おう…俺も父親になったんだからな…ちゃんと新聞読んでるよ?」
「偉い…智くん、偉いっ!」
「でも、漢字読めないから…翔ちゃん教えてねっ?」
俺もちゃんと蓮に教えたいしさ~、って智くんは恥ずかしそうに頭をボリボリと掻いた。
「とーちゃんがアホだと思われると、いかんからな」
「ぶぶ…今日はあれからよく考えちゃったんだね…?」
朝、あんなこと言ったから気にしてたんだ。
「なんでわかるの…?」
「ふふふ…だって俺は智くんの奥さんだよ?」
「そうだった…奥さんだった…」