第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
結局、その勝負はニノが勝って。
雅紀は生まれた子供の名前つけさせろとか言い出して、俺にグイグイ迫ってくるから、智くんに後頭をグーパンされてた。
「ひどぉい…おーちゃん…」
「俺はいつだって酷くなれるからな!」
「なにわけわかんないこといってんのおお…」
「翔ちゃんと子供のためなら、俺、パンチすっからな!」
「悟空かよお…」
「オッス!おら、智!」
「面白くねえよ!」
ぐるんって智くんは俺を振り返って。
「子供の名前は俺がつけるんだからなーーーーっ」
クリリンのことかーーーを彷彿とさせるポーズまでとって叫んだ。
いや、俺も考えさせろよ…
黙ってじっとみてたら、流石に空気を読んだらしい。
「あっ…ち、違うからね?翔ちゃん、一緒に考えようね?ねっ?」
なんて俺の横で必死にご機嫌を取ろうとしてくる。
そんな俺と智くんを、周りの人達は”見てはいけないもの”として、目を逸らした。
「はいよ。書けたよ。お二人さん」
唯一目をそらさないキング潤が、ニノと一緒に保証人欄にサインした婚姻届を返してくれた。
「おめでとう。大野さん、翔くん」
「あっ!お祝いまだだった!おめでとう!」
「おめでとうございます。なんかお祝いで欲しい物あったら、相葉さんに言ってくださいね」
「オイ!なんで俺だけなんだよっ!」
「俺たち3人からのお祝いで、お金は相葉さんが払うから」
「何いってんだおまえ!?」
「いいね。じゃんけん負けたしね。そうしよう」
「オイ!潤!おまえ強権使ってじゃんけん参加してないだろお!?」
智くんが弱ったなって顔して俺を見るから、思わず笑っちゃった。